第39回 鎮守の森とフクロウ類 森と森をつなぐ

文:那波昌彦(環境カウンセラー)  画:寺西 靖(れいんぼう・T)

昔は「ホー、ホッ、ゴロスケホイ」と鳴くフクロウの声がよく聞かれたものです。巣立ちの時は可愛い雛が数羽、枝に並んでいました。このフクロウの声もめっきり聞けなくなっています。
フクロウは昼間、林の中でうつらうつら居眠りをしていて夜に活動することが多い。「昼隠居」(ひるかくろう)と呼ばれたことから変化して「ふくろう」と なったとも言われている。だが居眠り鳥でも外国では知恵や学問・芸術の象徴でもあり、日本でも河出書房やミネルバ書房のマークになっていることはご承知の とおりである。
近年兵庫県でも昔に比べて神社やお寺の森が減っていて、駐車場や宅地になっていることが多い。フクロウ類は樹洞で繁殖するので彼らにとって住みにくい世 の中になっている。ただ戦後多くなった都市公園の一部では古くなって樹木が太くなって樹洞ができて営巣しやすくなっているところがある。ここ2~3年明石 公園でフクロウ科の1種であるアオバズクが(巣箱ではあるが)繁殖に成功している。
だが全体では宅地化が進み、加えて森と森が分断されて動物の移動がままならぬ状態にあり、生物の生存がおびやかされているともいえる。この反省から分断 された森と森をつなぐことによって動物の移動が容易になる回廊・コリドー(CORRIDOR)が試みられています。東北6県の国有地、民有地をつなぐ大き な回廊(全長約350km 幅2km)が具体化されており、これが実現するとツキノワグマ等が自由に行き来できるようになり、里まで降りてくることが少なくなるのです。県でも県民緑 税を活用して動物と共存できる「パッチワークの森」つくりが試みられることになっています。

megumi39 アオバズク フクロウ目フクロウ科「青葉梟」全長29cm
インドから東アジアに分布する。平地から低山帯の森林に生息し夜間に主に昆虫を捕食する。小鳥やネズミ類を捕まえることもある。本州には青葉の茂る4~5月に渡来するのでこの名前がある。主に樹洞に営巣し「ホッホー、ホッホー」と繰り返し鳴く。
フクロウ科の鳥は日本に10種類いる。日本で最も大きいシマフクロウ(全長71cm)は絶滅が心配されたが、大型巣箱や魚の補給等により、わずかではあるが北海道・道東で維持されている。