第41回 オシドリとドングリ オシドリ夫婦って本当?

文:那波 昌彦(環境カウンセラー)  画:寺西 靖(れいんぼう・T)

あまり鳥を知らないといわれる方もオシドリは良くごぞんじのようです。2004年初春菊水山麓の烏原池にオシドリが200羽も来たことは新聞にも報道さ れました。布引ダムにも来ていたようですが、烏原と異なりオオタカ等から隠れることが出来るアシが無いのか定着しません。早速松下猛さんと望遠鏡を担いで 行きました。確かに200羽はゆうにいました。三脚を立て望遠鏡で覗いていますと、散歩中の方が「何を見ているのですか」とお尋ねになります。「オシドリ ですよ」と望遠鏡を覗くことをおすすめすると、「イヤー綺麗、絵本とそっくり!」と誰方も言われます。3列風切羽の1枚の大型で橙色の銀杏羽が目立つド派 手な色のカモです。雌は地味ですが目の周囲の白いアイラインがなまめかしい。水鳥ですが森林の水辺の高めの樹洞に巣を作り、種子、昆虫、魚も食べますが、 ドングリを好んで食べることは余り知られていません。ドングリは熊をはじめ多くの生物にとって、人間でいう米・麦にあたるのではないでしょうか。最近は樹 洞がある樹木が少ないので巣作りに苦労しているようです。雛は巣立ちの時は高いところにある樹洞から自力で飛び降ります。親鳥はまったく力を貸さずに、木 の下で「ケッ、ケッ」と鳴いてはげますだけです。
オシドリ夫婦とよく言われますが、本当はどうなのでしょうか。鳥の世界は「番・つがい」として、一夫一妻が多いので「オシドリ夫婦」という言葉が生まれ たようです。オシドリも実際は少し違うようで、本当は毎年カップルを替えているようです。山階鳥類研究所の山岸さんは「行動生態学の基本理論によると、 もっともたくさん子供を残せるような行動が進化してきたことになるから、雌は一妻多夫に、雄は一夫多妻につがいたがることが容易に予想される。雌の願いと 雄の願いは食い違ってしまう。一夫一妻というのは、このような食い違いの中から生まれてきた雌と雄の<妥協の産物>であるというのは言い過ぎだろうか」と 言っておられます。(山岸哲著 「オシドリは浮気をしないのか」中公新書)
このような興味深い事を色々と考えさせるオシドリは、すでに烏原池に飛来しています。可愛い「ど派手なあで姿」を見に行ってください。(例年は3月末まで滞在)
(烏原池に行くには三宮そごう横のバス停平野周り神戸行きに乗り、石井橋で下車し、川に沿って登る。徒歩15分 神鉄鵯越駅からも近い)

(題字 岸本敬子)

megumi41オシドリ 鴛鴦 ガンカモ目ガンカモ科 全長43~51cm
アムール川、ウスリー川流域から朝鮮、中国南部、日本に分布。
日本では4~7月に全国で繁殖。山形、鳥取、長崎県の県鳥。