第69回 三木山のシダ植物

文:中川 貴美子

 太古の時代は恐竜と共存していたシダ植物は現在では地球上に1万種あるようです。そのうちの900種が日本列島に植生しているとききました。奥山の樹幹に着生したり、森林の樹木の下や水の滴る岩陰、田畑の畔、田んぼの中、街中の石垣から豪壮な邸宅の庭の中まで、少し気を付けてみれば緑のきれいなシダ植物がいつもみられます。
 シダ植物は、その昔天の岩戸の時代から馴染みが深く、私たちの生活に様々なかかわりをもっています。天の岩戸の前で神楽舞いをした巫女さんはシダ類のヒカゲノカズラを身にまとっていたといわれています。今は、花屋さんの店頭でフラワーアレンジメントの材料として利用されています。
 子どもの頃に、ツクシ摘みやワラビ採りを家族で楽しまれた方も大勢いられると思いますが、今は、春先になれば量販店の野菜売り場に並んでいます。シダ類のワラビ、ゼンマイは韓国から輸入していると聞いています。食用としては残雪の中で摘んだコゴミ(クサソテツの新芽~多年生シダの一種で、山菜)が一番美味しいように思います。

サカゲイノデ

サカゲイノデ

 「ひょうご森の倶楽部」活動地・三木山森林公園東地区のシダ植物を紹介しましょう。尾根筋にはみんなに嫌がられるコシダが生い茂っていますが、谷筋でも除伐作業をしたので林床に光が差し込むようになり、眠っていた胞子が目覚めたようです。また、シダ植物の生育によい環境にしてもらったからか、思いがけない様なシダ植物が生えてきています。キヨスミヒメワラビという軸の鱗片が白髪を思わせる別名「シラガシダ」が1株あります。ロート状の緑色のイノデというシダも生えています。このイノデの仲間でサカゲイノデ、アイアスカイノデもみつかり、この3種が自然交配して大型の雑種のシダ植物がたくさん生えているので「一本杉谷」はシダ植物のジャングルになっています。
 他には、ベニシダ、ミドリベニシダ、サイゴクベニシダ、ナンゴクナライシダ、キジノオシダ、ハカタシダ、オオカナワラビ、サジラン、トラノオシダ、カナワラビ、ヤワラシダ、食用になるワラビ、ゼンマイとかなりのシダ植物が植生しています。
 三木山活動地はシダ植物の宝庫のようです。シダ植物の先生にご指導頂きながら除伐作業、水路、道づくりなどしています。かなり遠くまで出かけないと見られないシダ植物をみることが出来ます。生物多様性に貢献しているのかなと思いながらこれからも新しい植物をみつけ育てながら森の手入を楽しみ続けていきたいと思っています。