第74回 里山の甘党野鳥「メジロ」

文/写真:森 逸男

 森の倶楽部の活動地でよく見かける野鳥にメジロがいます。日本の里山を代表する野鳥のひとつです。今回は、そのメジロについてご紹介します。

  メジロ - スズメ目メジロ科 留鳥/漂鳥  学名:Zosterops japonicus

 メジロは、日本全国に生息する小型の野鳥ですが、暖かい地域を好み、北海道などの寒い地域に住むものは、冬は暖地に移動するそうです。大きさはスズメよりひと回り小さく、頭から背中、尾にかけて体の上面全体が黄緑色で、喉もとは黄色、腹部はくすんだ白色です。外観上の最大の特徴は、目の周りが白い縁取りで囲まれていることです(写真-1参照)。この特徴がメジロ(目白)の名前の由来になりました。オスとメスの間で、外観上の違いはほとんどありません。

 食性は雑食ですが、特に春にはウメやサクラ、ツバキなどの花の蜜を吸ったり(写真-2参照)、秋には熟したカキの実をついばんだり(写真-3参照)する、「甘いもの」が大好きな野鳥です。メジロの嘴は細くてやや長く、舌は細い筆のようにたくさんに枝分かれした特殊な形をしていて、花の中から蜜を含ませて吸うのに適しています。食べ物が少ない冬の時期に、家の庭先などに輪切りにしたミカンの実などを置いておくと、数羽で交替して食べにくる姿を身近に観察することができます。

 よく、「うちの庭にウグイスが来る」という話をする人がいます。詳しく聞くと、体が黄緑色の鳥だそうです。これは明らかにメジロの間違いです。メジロの体色がいわゆるウグイス色(黄緑色)であること、また「梅に鶯」という言葉と花札の「梅」に描かれた黄緑色の鳥の姿から、メジロを見てウグイスであると誤解する人が多いのです。

 秋から翌年の春にかけては、数羽から10羽以上の群れを作って「チー、チー」と鳴きながら、里山や公園などの木々の間を移動する姿をよく見かけます。時には、シジュウカラやヤマガラ、エナガなどの他の種類の小型の野鳥と混成の群れを作ることもあります。

 また、木の枝などに数羽が体を寄せ合って止まる習性もあり、押し合いへし合いしているように見えることから「目白押し」という言葉が生まれたそうです。

 これから暖かくなると木々の花が咲き、メジロの姿を見る機会が増えると思います。皆さんも、その愛らしい姿と仕草を観察して楽しんでください。

写真-1:メジロ

写真-1:メジロ

写真-2:梅の花の蜜を吸うメジロ

写真-2:梅の花の蜜を吸うメジロ

写真-3:熟したカキの実を食べるメジロ

写真-3:熟したカキの実を食べるメジロ